起き上がり小法師は、福島県会津地方に伝わる郷土玩具。江戸時代初期、会津藩主が寒い冬の内職として作らせたことが始まりです。正月に売り出された起き上がり小法師は転んでもすぐに起き上がる様子から「七転八起」の意味が込められ、おもちゃや縁起物として親しまれています。
起き上がり小法師の「小法師」というのは、子どもという意味の言葉で、大きさは3センチほどと小さいものがほとんどです。頭は尖っていて、ニコッとしたお目めとお口はとても愛らしいですね。購入する時には、家族の数よりも1個多く買うという風習があります。これには家族や財産が増えて、一族が繁栄するようにという祈りが込められていますよ。
東京都の郷土玩具で、小犬の形をした張子人形です。犬は出産が楽で多産なことから、「子宝」や「安産」のお守りとしてや、小犬は病気をせずにすくすく育つことから、お宮参りの時に厄除けや健康のお守りとして使われています。真ん丸でクリクリの可愛いお目めや、丸みのある体がとても可愛いですね。
様々な色や大きさがあり、古風ですが和洋、どちらの部屋のインテリアとして置いても合いそうです。作る職人が少なくなってきていて、貴重になってきています。
さるぼぼとは岐阜県飛騨地方に伝わる猿の形をした人形のことで、おばあちゃんやお母さんが子どもの成長や健康を願う意味が込めて作られました。飛騨弁では赤ちゃんのことを「ぼぼ」といい、さるぼぼという呼び名は猿の赤ちゃんという意味です。さるぼぼの赤い色には、病気を避ける意味があります。
皆が気になる、どうして顔がないかですが、さるぼぼは持ち主自信を表す映し鏡です。持ち主が嬉しい時は嬉しい顔をし、悲しい時は悲しい顔をして、感情を受け止めてくれるお守りになります。小さいキーホルダーも販売されているので、かばんなどに身につけてもいいですね。
福島県会津若松市の郷土玩具で、赤い牛の型に、黒の斑点と白の縁取りを絵付けした張り子人形です。べこは、会津の方言で牛を意味しています。牛が赤色をしているのは、赤色が病気を退散させてくれると言われてきたからです。牛は昔、会津で疱瘡という病気が流行った時に、牛が身代わりになって病気から守ってくれると言われていたので、赤い牛の人形を作り、病気が治った時の模様を白と黒で描いておうちに飾り始めました。
この赤ベコは、頭をちょこんと触るとゆらゆらと揺れるように作られていて、とても愛らしいですね。
千葉県佐原の伝統工芸品でもある張子の郷土玩具です。張子とは、木や竹で組んだ枠か粘土で作った型に、和紙を貼り付けて作る技法のことをいいます。特に餅つきうさぎが人気です。現在は鎌田さんという職人さん、たった一人しか作っておられません。
どれもとても素朴で愛らしい表情をしており、側に飾っておくと気持ちが和みますよ。